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パンダシリーズC振り向けばパンダ親子

1

「うふふふふ…」

…クリスマスも近い、ある日の夜。
部屋で、クリスマスのデートで人気のスポットなんかが掲載されている雑誌を眺めていたあかねが、突然そんな声を出して笑い出した。
「何だよ、急に笑い出して。変な奴だな」
俺が、あかねに尋ねると、
「だって。ふふっ…」
あかねは、俺の問にはろくに答えず尚も笑っているばかりだ。
「何だよ、気になるだろ」
俺が、寝転んで見ていた漫画をパタンと閉じて、笑っているあかねにもう一度声をかけると、
「だってね、すごくかわいいもの見つけちゃったんだもん」
あかねはそんな事を言いながら、ベッドの上に寝転んでいる俺の隣にゴロン、と寝転んできた。
そして、
「ここ。これみて」
そういって、自分が今まで眺めていた雑誌を俺の前へと広げた。
「どれ?」
「これよ、これ」
二人でうつぶせにベッドへと横になり並びながら、あかねが広げた雑誌へと目をやると、

「…ん?」

…あかねが指示したそのページには、イルミネーション鮮やかなどこぞの場所に佇むカップルが映っていた。
派手に飾られたクリスマスツリーの下で、幸せそうに微笑み合う恋人達。
男の手には、彼女からのプレゼントが。
そして、彼女の腕には、彼からのプレゼントがしっかりと抱えられている。
それだけだったら、特に何の変哲もない写真だと思うのだが、問題はその、彼女が抱えているプレゼントにあった。
…大きすぎて袋に入らないのか、首にリボンだけ巻かれている大きなパンだのぬいぐるみ。
そのぬいぐるみは、クリスマスらしく、「サンタクロースの衣装」を着ていた。
何だか仏頂面をしているような気もするが、長い間じっと見ていると、不思議と愛着が湧いてくるような気がする。
それに、パンダといえばどんなものでも、うちの親父に似ているように思えるのは…気のせいだろうか?

「…パンダだな」
そんな事を思っているということを隠しながら、俺がボソッとそう呟くと、
「そうよ、パンダよ。なんかこのこのパンダ、おじ様に似てない!?」
あかねは、そんな俺の気持ちなどお構いなしにさっそくそう指摘をした。更に、
「それにほら!みてこれ!」
あかねは、やけにニコニコとしながら、そのサンタパンダ指差す。
「…」
俺があかねの指の先を見ると、
そのパンダサンタ。ぬいぐるみのクセに、ちゃんと白い袋まで担いでいた。
さらにその袋からは、ちいさなパンダが顔を出している。
大きなパンダと似ているような似ていないような…小さなパンダだ。

「…」
俺が、黙ってそのパンダをと子パンダを見ていると、
「かわいいと思わない?このぬいぐるみ!それにねっ…」
あかねはニコニコと笑いながら、「よっ…」とか何とかいいながらベッドの傍の机の引出しに手を伸ばし、黒いマジックを取り出した。
そして、
「ほら!みてこれ!」
…突然、その袋から顔を出している子パンダの頭部分の後ろに、黒い「○」を三つと「△」を一つ、書き足した。

「…おい」
「なあに?」
「何だ、それは」
「やあね、お下げじゃないの。見てわかんないの?」
「わかんねえよ」
「何でわかんないのよ。あんたにもついてるでしょ?」

俺の質問に対し、あかねは「やあねえ、とぼけちゃって」とか何とか言いながら、笑顔でそう答えた。
そして、
「大きなパンダに小さなパンダ。まるで、乱馬とおじ様みたいじゃない!クリスマスに親子で登場…あは、親子サンタだね、これ!親パンダが子パンダをプレゼントだなんて、なんかかわいいなあ。あたしにもおじ様、乱馬を届けてくれないかなあっ」
といって、ニコニコと頬杖をつきながら、その写真を眺めていた。
俺は、そんなあかねをじっと見つめつつも、小さくため息をついた。

 

…あのな?あかね。
親父がサンタになって、俺をオメーのところに届けて欲しいとか。
そんなこと言って嬉しそうにしているオメーを見るのは、ホント嬉しいよ。
そうやってニコニコしている姿を見ていると、思わず襲いかかっちまいそうになるし、
せっかっく買ってきた雑誌に、無邪気にマジックで落書きするオメーはもう、可愛くて仕方がねえ。
それに、こうやって並んで寝転びながら雑誌を見る事だって、俺は全然嫌じゃねえ。
むしろ、幸せだよ。
でもな?あかね。
俺は、そんな可愛くて仕方がねえおめーにも、どうしてもやっぱり言わなくちゃいけねえことがある。

あのな?あかね。
俺は再三、おめーに言っていると思うが。

 

…俺はパンダの息子じゃねえ!


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